某家電メーカー様では、基幹システム導入後も販売・在庫・購買管理が統一されず業務が複雑化、Excel多用と属人化が常態化していました。そこで、業務プロセス改善を実施し、販売計画から発注数量決定までの業務プロセス整理・共通化により、将来的な製品品目や販売拠点増加にも対応できる業務設計を行いました。
【法人様概要】独自の技術と洗練されたデザインで、革新的な製品を次々と開発し、国内外に事業展開している家電メーカーです。
目次
プロジェクトの背景と目的
背景
企業成長に伴い、基幹システムを導入したが、海外、国内の販売管理、在庫管理、購買管理における業務プロセスが共通化されておらず、結果として、営業の業務、仕入先への発注業務など、Excelを多用した業務となっている。
目的
取り扱う製品の増加や販路拡大を見据え、 販売計画から発注数量決定までの一連の業務プロセスを整理し、海外・国内業務プロセスを共通化すると共に、ビジネス変化(製品品目増加、販売拠点数の増加など)に耐えうる業務の設計を行い、既存の基幹システムを利活用できる状態にする。
プロジェクト課題
- 複雑かつ属人化した販売計画から製造元への発注までの一連の業務プロセスを可視化及びスリム化する
- 海外・国内の個別化された販売計画における業務プロセスを共通化し、後続の発注プロセスの業務負荷を削減する
- 製品品目数の増加や販売拠点数の増加においても人員コストを上げることなく業務を遂行可能な状態にする
- 業務プロセス改善の手法及び進め方を身に着け、今後のビジネス成長への業務改善を内製で実施できるよう人的資本の向上を図る
- 機能を活かせていない基幹システム及びシステム環境の利活用による効率化の実施
プロジェクト概要
プロジェクトにおけるアプローチ
- コロナ禍のため、業務ヒアリングや定例、最終報告等の各種打合せはすべてオンラインにて実施
- 業務プロセス改善のノウハウを社内に蓄積するため、業務部門とのセッションはPM(システム部門の担当者)をファシリテーション役として役割定義。初回の業務整理の進め方をPMに見せ、2回目以降のセッションはPMがファシリテーションを実施
- 一般的なSCMのプロセスを基に、販売計画や受発注業務フローを作成し、業務部門に現行業務との差異を確認しながら、現行業務を可視化
- 多用しているExcelについては、インプット元の情報を洗い出し、リスト化することで情報の要・不要を整理
- デジタル化範囲の検討においては、既存システムを利活用し、新たなコストを掛けずかつ実現性の高いモデルを策定
【業務改善プロセス】

業務改善プロセスの活用メリット
- デジタル化は効率化する手段のひとつであることから、まずは現行業務のムリムダムラを省きスリム化したToBe業務フローを策定
効果
- Excelの運用を廃止することで、転記作業による入力ミス軽減、メンテナンス作業の工数削減
- データ集約及びレポート活用により、ビジネス拡張時の業務量を低減
- 既存の基幹システムや周辺システム・ツールを継続利用することで、ITコスト増加を抑制し、業務への影響を最小化
- 業務プロセス改善の進め方や手法を理解し、実践したことにより、内製による業務プロセス改善スキルが向上