某住宅メーカー様では、財務経理の業務がブラックボックス化し、属人化しているため、業務の効率化とデータの可視化が進んでいませんでした。特に、Excelや紙に依存し、十分なシステム環境を持ちながらもその活用が積極的に行われていない現状が、業務改善にとっての障害となっています。
このような背景から、財務経理領域における業務プロセス改善の成功事例を創出するために、業務改善のワークショップを実施しました。このワークショップでは、財務経理担当者が自ら積極的に参加し、改善手法を学ぶとともに、ローコードツールを活用してデジタル化を実践できる機会となりました。
【法人様概要】デザイン性と機能性を兼ね備えた高品質な住宅を提供する住宅メーカー。自由設計を強みとし、顧客の理想の住まいを形に事業を展開しています。
目次
プロジェクトの背景と目的
背景
中期経営計画のDX推進強化に伴い、事業全体の効率化を掲げ、従来の業務を見直し、デジタル活用が可能なデータの見える化と必要データの整理、及び自動化を進める必要がある。
特に財務経理は業務がブラックボックス化かつ属人化しており、Excelや紙を多用していることからナレッジ及びデータの蓄積ができていない状態。システム環境については、アプリ開発やデータ分析が可能なローコードツールを導入しているものの、一部の利用に留まっておりユーザ部門による活用が浸透していない。
目的
財務経理の領域から業務プロセス改善における成功事例を作り、他部署への横展開を目指すことを目的に、業務プロセス改善の基礎として、財務経理担当者がワークショップに参加し、業務プロセス改善の進め方とローコードツールを活用したデジタル実装を体験する。
プロジェクト課題
- ユーザ部門担当者が見えている範囲の業務の課題とデジタル化案では、局所的な部分に陥ってしまうため、業務プロセス全体の視点で改善を考えるための手法を理解し、また、今後内製で実施できるようにスキルを身に着け、人的資本向上を図る。
- ユーザ部門担当者が自らローコードツールにてアプリ設計・作成に触れ、データの蓄積と可視化による利活用の効果を体験し、小さな成功体験を積み上げることで、内製化による改善へと変化させる。
プロジェクト概要
プロジェクトにおけるアプローチ
- ワークショップ開催前に、2日間のワークショップスケジュールかつデジタル化の効果が出やすい題材を選定
- オンサイトにてワークショップを実施し、冒頭に座学として業務プロセス改善の重要性と時代に合わせたシステム構築の必要性を説明
- 現行業務フローは、ホワイトボードを用いてその場でヒアリングを実施しフロー図化
- 現行業務分析では、現行業務の問題点としてムリ・ムダ・ムラを参加者自身が付箋に書き、ホワイトボード上に貼り付け。見える化した問題点に対して、参加者に質問を投げかけ背景や理由を深掘り。
- ムリ・ムダ・ムラが解消されたToBe業務フローを作成後、デジタル化のプロセスを特定し、期待効果を算定
- ローコードツールを適用するプロセスにおいて、参加者自身がアプリを設計し、作成を実施
- 終盤に本ワークショップの振り返りを実施し、気付きや課題など全体で共有
【業務改善ワークショッププロセス】

ワークショップ参加者の声
- 業務フローの詳細検討には、他部署の業務理解が不可欠であり、上流工程から下流工程まで含めた効率化に繋がることを学んだ
- ワークショップで得た業務整理の手法や進め方に関する多くの学びを、社内に持ち帰り継続的に推進していきたい
- デジタル化を成功させるためには、事前の業務の簡素化が重要であり、それによって使いやすいシステム構築とデータ利活用が促進されることが分かった
- 管理本部メンバーにもツール開発スキルを習得してもらい、社内のIT人材を増やすことで、業務効率化が進むと感じた
- 実務を題材とした業務改善体験は貴重な機会であり、本日の学びを活かして積極的に業務改善に取り組んでいきたい