某医療機器メーカー様では、プロジェクトリーダー育成による製品開発の品質・生産性向上を目指していましたが、外部コンサルタントによる支援が一部に偏り、効果が限定的でした。そこで、「問題解決プロセスモデル」を導入し、プロジェクトリーダーの課題明確化と対策立案をコンサルタントが伴走支援することで、プロジェクトリーダーのマネジメントスキル向上を実現しました。
【法人様概要】光学技術を基盤に、医療分野でグローバルに事業を展開する医療機器メーカーです。
人々の健康と豊かな生活に貢献するため、革新的な技術とソリューションを提供し続けています。
目次
プロジェクトの背景と目的
背景
製品開発として数十プロジェクトが並行して遂行されているが、各プロジェクトへの外部コンサルタントによる支援が常態化しているため、自社のプロジェクトリーダーが自立できず、また、今後の事業成長に向けたコンサルタントの支援不足が予測される。
目的
自走できるプロジェクトリーダーを増やし、製品開発プロジェクト全体のQCD最適化により、生産性向上と安定化を図ることを目的に、外部コンサルタントの役割と期間を明確化すると共に、プロジェクトマネジメント手法をベストプラクティスとしてプロジェクトリーダーに体験させ、マネジメントスキル向上を目指す。
ミッションとしては、以下3点を掲げる
- 問題の特定と支援内容・期間の明確化
- 体系化されたプロジェクト運営方法の導入
- 支援前後でのプロジェクトリーダースキル評価の実施
プロジェクト課題
- 外部コンサルタントの支援を有期化させ、事業成長時のコンサルタント支援の要員不足を解消し、コスト向上を抑制する
- プロジェクトリーダーが、外部コンサルタントと伴走し、プロジェクトマネジメントスキルを習得することで、人的資本向上を図る
- プロジェクトマネジメントスキルを評価する仕組みを整備し、事業成長戦略と合わせた継続的なマネジメントスキル向上を図る
プロジェクト概要
プロジェクトにおけるアプローチ
- プロジェクト上位層とのヒアリングを実施し、多数あるプロジェクトリストから、「プロジェクトの進捗状況」「外部コンサルタントの支援状況」 「育成対象となるプロジェクトリーダー」を踏まえ、改善対象のプロジェクトを選定
- 問題解決プロセスモデルによる、問題の特定から対策実行、評価までの一連のサイクルについて、プロジェクトリーダーと擦り合わせを実施
- PMBOKをベースに、プロジェクトリーダーが抱えるプロジェクトマネジメントに関する問題と課題を抽出し、解決策を立案
- 解決策を実行計画書として作成し、具体的な対策ステップや対策期間、作成物、役割を定義(WBSへの組込み)
- プロジェクトマネジメント運営上の会社組織的な問題等(人員不足など)については、プロジェクト上位層へエスカレーションの仕組みを整備
- サイクル終盤にプロジェクトリーダーのスキル評価を行い、実行プロセス前後でのプロジェクトリーダーのマネジメントスキル変化を確認
【問題解決プロセスモデル】

問題解決プロセスの活用メリット
- PMBOKをベースとしたプロジェクトマネジメントにおける問題抽出とスキル定義をすることで、知識の有無を抜け漏れなく確認できる
- 本質的な問題を特定し、原因分析をすることで、根本解決に繋がる
- 問題解決プロセスモデルのテンプレートを活用することで、効率的にプロセスを進めることができるとともに、他プロジェクトへ横展開も可能
効果
- プロジェクトマネジメント課題の明確化により、長期化した外部コンサルタント支援を有期化
- プロジェクトリーダー教育を目的としたコンサルタントの投入により、曖昧な支援業務が削減(分業化)
- プロジェクト固有の問題と会社組織として実施する問題を切り分けることで、プロジェクトリーダーの業務負荷が軽減
- プロジェクトリーダーがプロジェクトマネジメント(特にリスクマネジメント及びコミュニケーション)の実施方法の理解を深め、マネジメントスキルが向上